【星景】久しぶりの赤道儀追尾。伯耆大山と北アメリカ星雲を無謀にも望遠(95mm)で撮影してみた!

前回7カ月ぶりに星景写真の撮影を再開したわけですが、この時は赤道儀は使用しませんでした。

前回の星景記事

今回、満を持して赤道儀が復活!久しぶりの追尾撮影に四苦八苦しながら撮影してきましたので紹介します。

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赤道儀の使用について

基本的には、焦点距離が広角ならSequatorを使う前提で撮影し、望遠ならば赤道儀を使って撮影する。

当たり前と言えばそうかもしれませんが、広角側でも赤道儀を使う方もいれば、逆に望遠側でも短時間露光で赤道儀を使わない方もいて、自分的にはいまいち赤道儀を使うシーンが曖昧でした。

前回と今回の撮影で、今まで何となく曖昧だった赤道儀の使用基準みたいなものが、自分の中である程度はっきりした気がします。

では具体的に広角と望遠の境の焦点距離はというと、24mmかなと。

24mm以下の焦点距離ならSequatorで複数枚処理するのを前提で、IOS8000までの露光時間15秒までならイケるかと。

これ以上のISOになるといくら複数枚スタック処理すると言っても画質的に心配になるし、これ以上の露光時間だと星の流れの許容範囲を超えてしまうし。

撮影時の状況(合成しやすい前景かどうか)によって違いはありますが、おおむねそんな感じで今後は赤道儀使用の有無を判断しようと思います。

鬼女台展望休憩所 星景撮影記

2020年11月14日(土)から15日(日)0時過ぎまで。

月没 16:46
薄明終わり 18:39

実はこの前日、金曜日の夜に岡山県の美星天文台で撮影するつもりでした。

閉館が22時だったのでそれ以降なら誰もいないだろうと思って訪れたのですが、22時過ぎても入れ替わり立ち代わり車が現われます。

比較的若者が多く、もしかしてここは走り屋の溜まり場なのかとかなりビビりました。

深夜になれば人もいなくなるかもと、一時間ぐらいは車の中で息を潜めて様子を伺ってたのですが、全くいなくなる気配がなかったので、諦めてその場を離れることに。

その時に天文台の駐車場ゲートを確認すると、なんと【立入禁止】の文字が!

閉館後は駐車場の入り口が閉まるのは知っていましたが、立ち入り自体が禁止されているとは知らなかった。

立入禁止にも驚いたし、立入禁止にもかかわらずこんなに人が集まっているのにも驚きました。

天文台とオリオン座のカッコいい星景写真が撮れそうだったのにな・・・もうここに来ることはないでしょう。

 

と、前日の話が長くなりましたが、その日の夜は結局撮影できずに、とある道端の広い場所で車中泊。

その後鬼女台展望所へ向かい、お昼過ぎには到着したのですが、駐車場に入る前にプチ渋滞してました。

皆さん紅葉狩りに来てらっしゃるのでしょうか?ともかくとても駐車場に長い時間車を止められる雰囲気ではなかったので、すぐ下の道端の広いスペースに車を留めてそこから徒歩でロケハンに向かいました。

撮影地(鬼女台展望休憩所)について

鬼女台展望休憩所 画像:グーグルマップより

高台の展望の良い場所で、西に大山、東に蒜山が見渡せます。

紅葉の時期なのである程度人が多いのは予想してましたが、渋滞が起きるほどとは思いませんでした。

たぶん普段はそこまで人は多くないものと思われますが、冬季は通行止めとなる蒜山大山スカイラインの途中にあるため、12月から来年の4月ぐらいまでは訪れることができない場所です。

なので人見知りの私ですが、人が多いのをわかっていてもこの日に訪れたのでした。

西側に伯耆大山。
東側には蒜山三座と蒜山の街を見下ろす。
ススキの自生地でこの奥にも展望台がある。

鬼女台展望休憩所周辺の光害状況

光害とはちょっと違うかもですが、この日は夜になっても定期的に車が駐車場に入ってました。

撮影は駐車場の隣の徒歩でしか行けない小高い場所だったので、車のライトの影響はありませんでしたが、時折人が入って来てライトで照らすので困りました。

ほとんどの人は通り過ぎるだけなので良かったのですが、真横でライトを照らし続けた子供連れの家族には「ごめんなさい。撮影中なのでできればライトは・・・」まで言うと、無言で去って行かれました。

隣に来た時も無言・・・去る時も無言・・・夜中に誰もいない場所で撮影している私の存在をないものとしているような振る舞いはかなり怖かったです。色んな意味で。

 

話が逸れましたが、北西の大山方面は米子の光害がやや強めにあります。

南東方向は蒜山の街灯りが弱いですがあります。

それ以外は問題なしでこの日は天気も快晴だったため、星の見え方は最高レベルに素晴らしかったです。

駐車場と車中泊について

駐車スペースは普通車30台プラス大型4台分ぐらいでしょうか。

多くはないですが、観光客が増える紅葉時期など以外は問題ないでしょう。

トイレがありますが、夜は閉められるようなので車中泊は難しそうです。

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鬼女台展望休憩所 星景作例

伯耆大山に沈む北アメリカ星雲

撮影日:2020/11/14 焦点距離:95mm 絞り値:F4 露光時間:(星)120秒*26枚、(前景)150秒*12枚 ISO:3200 

色々トラブルや問題はありますが、概ね満足できる作品となりました。

●撮影機材

カメラ:CANON EOS Ra
レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM
赤道儀:SWAT-310V-spec

●画像処理

①LightroomでWBバランス調整、レンズプロファイルで周辺減光修正、シャープなどリセット後、TIFファイルに変換。

②ステライメージ8でTIFファイルを前処理実行後コンポジット後、TIFファイルで出力。
 星は加算平均(σクリッピング)。回転を計算、余白をトリミングにチェックを入れ、ガイド状態が1.2以上は除外し実行。前景は加算平均で実行。

③ステライメージ8で星画像を簡易FLAT補正。
下記を参考にさせていただきました。ありがとうございます。これ凄く良いです。

④StarNet++で星無し画像を生成。
 ※元画像の上に星無し画像をレイヤーし、星無し画像を減算にすれば星のみ画像ができるので、モノクロ化すれば星マスクができます。

⑤Photoshopで強調、合成。

久しぶりの追尾撮影はトラブル続出!

中国地方の雄、伯耆大山に沈む北アメリカ星雲を、自分史上最大の焦点距離95mmで狙います。

元々そんなに慣れているわけではない赤道儀撮影で、しかも8カ月ぶりとブランクがある。

これまで最大の焦点距離は大惨敗した四国カルストでの42mm。一気に倍以上の焦点距離での追尾撮影は私的には無謀としか言いようがない。

ただ、この焦点距離で撮る大山と星雲のコラボは、この場所が冬季通行止めとなることを考えるとこの日しかないと思いチャレンジすることにしました。

そんな私に降りかかる数々のアクシデント(全部自分が悪いのですが・・・)。

アクシデント① 北極星を間違える💦

いつもならPF-L Assistという携帯アプリで念のため位置を確認するのですが、この時は携帯を車に置いてきてしまったので確認できませんでした。

流石に確認しなくてもこの晴天で北極星を間違えることは無いだろうと思っていましたが甘かった。

なんだかいつも以上に導入がむずかしいけど久しぶりだからこんなもんかな~などと感じながらも(違う星を)赤道儀の穴に導入。

その後、前景となる大山を一時間ほど撮影し、今度は星を撮るために赤道儀のターンテーブルを回して、デネブを導入っと・・・・・

えっ??デネブが画角に全く入ってこない。ってここでようやく北極星を間違えていることに気がつく・・・

前景を撮る前に、被写体の星(デネブ)が導入できるが確認しなかったのはもちろんだが、そもそも北極星を間違えたことが恥ずかしい。

で、結局再度極軸合わせをしてなんとかデネブの導入に成功しましたが、それでも予想位置とはだいぶずれてました。

やっぱり100mm近くでの極軸合わせは赤道儀の穴の中心に入れるだけでは限界がある気がする(私の場合)。

PoleMasterが欲すい・・・。

アクシデント② レリーズのスタートボタンを間違える💦
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タイマーで撮影する際のスタート/ストップは右上の小さなボタンになりますが、そのことをすっかり忘れていて普通のレリーズボタンを押してスタートしてました。

カメラの設定はバルブになっているので、当然レリーズで設定した時間が経過してもシャッターが下りてくれません。

結局撮影時にそのことに気付かず、全部手動で連続撮影するハメに。。。_| ̄|○

アホすぎる( ゚Д゚)

アクシデント③ 撮影を忘れる💦

今回の撮影では星と地上は別撮りであとで合成するわけですが、追尾と前景の合成の際に、星の位置の基準となる一枚を撮らなければなりません(星のスタックは微妙にずれて画像サイズが小さくなるので)。

そうしないと正確な位置合わせができないので、再現性のないただの合成写真になってしまいます。

それを撮影し忘れました。

つまり今回の大山と北アメリカ星雲は位置合わせが適当なのでただの合成写真になってしまいました(泣)

 

一本木とオリオン座

撮影日:2020/11/15 焦点距離:30mm 絞り値:F2.8 露光時間:10秒 ISO:6400 21枚スタック(Sequator)

●撮影機材

カメラ:CANON EOS Ra
レンズ:TAMRON SP15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model:A041)
赤道儀:不使用

ソフトフィルター(LEE No.1)使用。

●画像処理

Sequatorでコンポジット。Photoshopで強調処理。

最後に気力を振り絞って撮影したオリオン座

日付が変わるころ、帰途に就こうと車に荷物を積んでいると、道を挟んで目の前の木の上にちょうどオリオン座があったので、レンズをTAMRON SP15-30mmに交換して撮影しました。

レリーズでタイマー撮影ができず全て手動で撮影して疲労困憊だったので、どうしようかと迷いましたが、本当はオリオン座も撮りたかったのでなんとか撮影できて良かったです。

こちらはカメラの設定で撮ったのでレリーズボタンをロックすれば連射してくれました(笑)

焦点距離30mmで10秒です。

10秒と短時間の露出ではオリオン座周辺の星雲も描出が難しいし、そのくせ星は流れています。

やはり25mm以上は赤道儀使用案件かと思われますが、木のような複雑な前景は合成が難しいのでどうしたものか・・・難しいです。

背景は蒜山方面となりますが、低空を覆っていたもやに反射した街の灯りが結構明るかったです。

あとがき

久しぶりの赤道儀使用撮影はトラブル多めで大変でしたが、結果的には満足がいくものが撮れました。

今回は星と地上の合成位置が適当になってしまい、完全な星景写真とは言えなくなってしまいましたが、やり方はだいぶわかってきたので今後が楽しみです。

最後に、この日鬼女台で一緒に撮影してくれたお二人の青年。

大変楽しく撮影できました。ありがとうございました。

また機会があればぜひご一緒したいですね。

コメント

  1. 安井 登志実(やすい としみ) より:

    こんにちは。井原市に住む安井といいます。
    星景写真とSequatorで検索してこのブログに到達しました。美星町で嫌な思いをされたようですが同じ市内に暮らす者として心よりお詫びいたします。私も美星町に風景や星を撮りに行くのですが、夜は天文台の周囲より「井原市星空公園」の周りで撮影することが多いです。今はコロナの影響?で開館していませんが天体観測用のドームも二つありますし、車も横付け出来ますし意外と便利がいいです。満天の星空だけでなく瀬戸内海や工場夜景なども撮ることができます。ただし一人で夜に行くには相当勇気がいります。なぜなら撮影ポイントの周囲に猪の捕獲用罠などが仕掛けてあります。
    気が変わってこちらにいらっしゃる様なことがありましたら明るい時間帯に十分下見をされるときっといい撮影場所が見つかると思います。美星町は良いところです。
    今後のご活躍をお祈りいたします。

    • BOTCH BOTCH より:

      こんにちは。記事を読んでいただき、丁寧なコメントまでいただいてありがとうごさいます。
      私の文章が下手くそなせいで嫌な思いをしたような表現になってしまったみたいで、、、こちらこそごめんなさい。
      美星のことを悪く言う意図は全く無いことだけはご理解ください。
      実は私も人生の半分は岡山県在住で、昔の美星町はただの田舎の星が綺麗な場所という認識だったもので、そこに真夜中に人がたくさん集まっていたのでびっくりしてしまいました。
      美星町も有名になったのだなーと認識を新たにした次第です。
      「井原市星空公園」は今度行ってみたいと思っていた場所です。地元の方ならではの情報、非常にありがたいです。
      また是非訪れたいと思います。
      今後とも当ブログをよろしくお願いします。