【星景】四国カルストの空の暗さは日本屈指のレベル?!EOS_Raで初めての追尾撮影に挑戦しました。

 SWAT-310V-spec という赤道儀を予約していました。2019年12月20日発売ということで『年末休みに間に合えばいいな』ぐらいに考えていたところ、12月初旬に手に入るという嬉しい誤算!早速週末試し撮りに出かけることに。

 土曜の夜から日曜の朝にかけて、3時前の月没後から確実に晴れそうだったのが、今回撮影場所に選んだ”天空の道”で有名な四国カルストでした。失敗のリスクが有る初追尾撮影を行うにはちょっと遠い距離でしたが、以前から行ってみたかった場所だったので撮影地の視察も兼ねて訪れてみました。

 で、案の定ですが、

 追尾撮影に失敗しました~\(^o^)/オワタ

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追尾撮影の失敗原因

極軸合わせ(北極星の導入)の失敗

 実は新規導入した機材がもう一つありました。キャノンから先日発売された天体撮影用カメラ「EOS Ra」です。こちらも発売が12月10日と聞いていたのですが、赤道儀と同時に入手できたので今回の撮影は初物づくしでありました。

 ですので、本来なら一度近場で試し撮りすべきな状況だったのですが、撮影機会もそれほどないので今回は失敗のリスクをある程度考慮に入れて撮影に望みました。だから追尾撮影失敗はショックでしたがある程度想定の範囲内ではありました。

 失敗の原因ですが、おそらく”極軸合わせ”に問題があったものと思われます。

 今回の撮影のように望遠での撮影でない場合、赤道儀に開いている穴に北極星を導入するだけで良かったのですが、今回はその穴からは北極星が見えない位置だったため、赤道儀に設置した極軸望遠鏡で北極星の導入を試みました。ものすごく安易に考えていたのですが、これが思いのほか難しかった…。

 肉眼でははっきり見える北極星が、極軸望遠鏡で覗くと全くわからなくなります。気温は-5℃を記録し、車が揺れるほどの強風が吹いていたので、体感温度は-10℃は余裕で下回っていたと思われます。そんな極寒の条件下だったこともあって、落ち着いて北極星の導入ができなくて適当に北極星の導入を終わらせました。

 その後試し撮りをして星が流れていないか確認すればよかったのですが、予定していた撮影時刻を過ぎていたため焦っていたこともあり、確認をすっかり忘れて追尾撮影を開始。結果星が流れている写真を量産してしまいました(T_T)

 ただ、試し撮りをして星が流れていたとしても、その後北極星の導入を修正できたかというと自信がありません。

極軸望遠鏡での北極星の導入を失敗しないための対策

 とにかく極軸望遠鏡で北極星がどんな風に見えるのかがわからないと、何度でも失敗すると思うので、一度北極星の姿を極軸望遠鏡で見る必要があります。

 ネットで検索すると、レーザーポインターで北極星を指し示してそれを極軸望遠鏡で探すという方法が確実そうでした。実際にやってみてこちらで報告したいと思います。
※レーザーポインタで北極星導入やってみました↓

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撮影地の四国カルストは予想通りの空の暗さでした。

撮影記

 2019年12月7日(土)~8日(日)

 年末の休みまでは手に入らない予定だった赤道儀と天体撮影用カメラでしたが、予想以上に早く手元に届きましたので、急遽撮影に出かけることになりました。

 いつもどおりまずはSCWで雲の様子を確認します。広島から行ける範囲で一番晴れている時間が長そうだったのが四国南部・・・今回は初めてだらけの撮影で失敗する可能性が大いにあるのに、ちょっと距離が遠すぎる気がする。できれば山陰あたりで撮影したかったのですが・・・晴れないならしょうがない。

 で、到着したのが土曜日の午後4時頃。日が沈む前で曇っていました。気温表示は5℃ですが、風が結構強めだったので体感的にはかなり寒く感じました。EOS_Raで撮影した風景を数枚ご紹介。

 やっぱりやや赤っぽく写るような気がするようなしないような?

 このあと霧が発生。急速に暗くなり風も強さを増しまず。本当に晴れるのか不安でしたが、初めて星を撮影した北海道でも夕方霧(雲)が発生して夜晴れたことがあったので、今回も同じパターンだと信じて待ちました。

 すると期待通り霧は晴れ、雲のない空が広がり、圧巻の星空が広がりました!四国の空は暗いとは思っていましたが、四国カルストの空(特に南から西)の暗さは日本でも有数ではないかと思います。吸い込まれそうな恐怖を感じるくらいの星空でした!

 ただし、風の方は一向に収まらず車が揺れるほどの強風が一晩中吹いていました。当初は車から離れた場所で撮影するつもりでしたが、風よけがないと間違いなくブレるレベルの風だったので、今回は車を風よけにしてそばで撮影することに。そのせいで極軸合わせ(北極星の導入)を極軸望遠鏡でやらざる負えなくなり結局それがうまく行かずに追尾を失敗する羽目になりました(T_T)

 強風のせいで寒さも尋常では無かった。服装は以前秋吉台で撮影したときとほぼ同じでした。

 今回はこの装備では辛すぎました(;´д`)トホホ…特に足先。カイロを貼ってたのですが、全く効きませんでした。凍傷になるんじゃないかと思いました(大げさ)。足先の防寒は大切なので、防寒ブーツの購入を考えねばならないですね。

 

四国カルストへのアプローチ

 四国カルストへ登るルートはいくつかありますが、車の離合が難しい狭い道路が存在する手強いルートがほとんどです。そんな中、私のような運転に自信のない方でも天狗荘まで楽にたどり着けるルートがこちら↓

 高知県側から登るので、広島から訪れた私にとってはかなり遠回りなルートになりますが、離合に気を遣わないで四国カルストに行きたい方にはおすすめです。

 道の駅はわかりやすい最初の目的地として挙げているだけなので、必ずしも通る必要はありません。国道197号線を通って高幡消防組合津野山分署辺りの交差点から登ってください。

  「四国カルスト 天狗高原」の看板をくぐると山道が始まりますが安心してください、天狗荘まで快適な二車線道路です。

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冬の四国カルストでの星景写真作例

四国カルストに沈むオリオン座

撮影日:2019/12/8 撮影機材:Canon EOS Ra/RF24-105mm F4 L IS USM
焦点距離:42mm RAWで撮影

■星野:絞り値F4 露光時間120秒*20枚 ISO3200
 ①RAW(CR3)ファイルをPixInsightでスタック・フラット補正 → TIFファイルで書き出し
 ②Lightroomで強調等処理 → PSDファイルで書き出し
 ③Photoshopで仕上げ

■地上:絞り値F4 露光時間180秒*7枚 ISO1600
 ④RAW(CR3)ファイルをPhotoshopでスタック、強調処理等 → PSDファイル

■⑤星野と地上をPhotoshopで合成

 オリオンが右に寄り杉でエンゼルフィッシュが見切れてますし、地上部分は複雑な奥行きはカットしてますw 前述したとおり追尾失敗で星が線になってますし、色も何か変・・・等々ツッコミどころが満載の写真ですw

 撮影から画像処理まで、初めてだらけでとても苦労しました。納得行く仕上がりではありませんが、今の私にはこれが限界です。まあ初めてにしては良くできたんじゃないでしょうか。

 一番わからなかったのが、どの処理をどのソフトでどのファイル形式で仕上げるのが一番良いのかという点です。今回は上記のような手順でしたが、これは今後も探っていく必要がありそうです。

 PixInsightでCR3ファイルが使えるのかがわからなくて不安だったのですが、問題なく読み込んでくれました。本当はPixInsightとPhotoshopで画像処理するつもりだったのですが、上手くいかなくて結局Lightroomで処理した画像が一番理想に近かったというw まあ上手くイケば何でも良いんですけどネット上ではあまりLightroomで仕上げてる方を見かけないのでこの辺りは要勉強です。

あとがき

 初めて赤道儀を使った星景写真撮影でしたが、想像したとおり大変でした。撮影から画像処理までの工程一つ一つの最適解がわからなすぎて、なかなか仕上げまでたどり着けず、この記事を書くまでに時間がかかってしまいました。

 ただ、その過程はすごく楽しかった。まだまだ改善の余地はありすぎるので研究して行きたいと思います。

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