【星景】ファンタジックな禍々しさ 『大朝のテングシデ群落』と星空撮影

前日撮影後、島根の石見海浜公園でそのまま車中泊。翌日、帰り道で立ち寄ったのが広島県の大朝です。

ここのテングシデ群落には以前から行ってみたいと思っていました。

前回の星景記事
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大朝のテングシデ群生 星景撮影記

2020年10月18日(日)

月没 18:43
薄明終わり 18:53

石見海浜公園から浜田自動車道の大朝ICで降りて、まずはセブンイレブンで夕食を調達。

そこから目的地まで約5キロの道なのですが、途中右折すべきところを直進してしまい、離合の厳しい山の細道に迷い込んでしまいました。

途中で「なんか違う」と違和感を感じつつもUターンできる場所もない細道だったので焦りました。

やっとの思いで間違えた場所まで戻るとしっかり案内板が立ってました。

そういえばちょうどこの辺りで、田舎の風景にはとても似合わないびしっとしたスーツ姿の女性が、犬の散歩をしていたので思わず見とれて見てしまったことを思い出しました(´▽`*)

よそ見はいけませんね💦

 

無事到着後は早めの夕食をとってから軽くロケハンしました。

まだ明るい時間ではありましたが、誰もいない山の中なのでやはりちょっと不気味です。

特に熊の存在は否定できない土地なので、熊鈴も携帯しました。

シカが『ブオッほッ!』みたいな鳴き声を発して逃げだしたときはビビりました(笑)

こっちは気がついていないんだから静かに逃げれば良いのに・・・。

 

撮影は18時半から20時まで。

この日の夕方以降はゆっくりと雲に覆われるというSCWの予報通り、途中から雲が流れ始めたので諦めて帰途につきました。

撮影地について

大朝テングシデ群落:Googleストリートビューより

駐車場から200mほど歩きます。

日曜日の夕方ということもあり、ロケハン時にも誰もいませんでした。

夜は高確率で誰もいないでしょう。(いるとすれば同業者?)

上の写真ではテングシデ以外の草木はほぼ綺麗に刈られていますが、この日は草木が生い茂っていて、所見の私にはどれがテングシデなのか判別し辛いほどでした。

冬になったら草木が枯れてこれに近い状態になるのでしょうか?

テングシデの群落の中に入れる木製の展望所みたいな場所もあるのですが、おそらく木が朽ちているのか立ち入り禁止になってました。

群落は山の斜面にあり、その周りを遊歩道が整備されていてちょっとした散策にも良い場所だと思いました(遊歩道は比較的綺麗でした)が、いかんせん山の中過ぎてわざわざ誰もこないのでしょうね。

人間の手を加えすぎるのも好きではないですが、このまま寂れていくのも寂しい気もします。

空と周辺の暗さ

辺りは山と木々に囲まれているため、夜は非常に暗いです。手元も全く見えない暗さでした。

Light pollution mapでは驚異の0.00を計測(笑)

ただし、南側には広島市がありますので、夏の天の川撮影ではそれなりに影響がありそうです。

Light pollution mapより

霧も出ていて、本当にファンタジー映画のおどろおどろしい森の中にいるような感じでした。

魔女とかゴブリンとか出て来そう。

駐車場と車中泊について

駐車場の広さは申し分ありません。20台ぐらいは駐車可能です。

ここにトイレがあり、中も綺麗でした。

なので車中泊も可能ですが、駐車場はかなり傾斜しているので安眠はちょっと厳しいかもしれません。

静かなのは間違いないんですけどね。

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大朝のテングシデ群生 星景作例

使用した機材・画像処理ソフトなど

●撮影機材
カメラ:CANON EOS Ra
レンズ:TAMRON SP15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model:A041)

●赤道儀は不使用です。

●全て約20枚の連射撮影。

●Sequatorで画像スタック後、Photoshopで画像処理。

今回はIOS8000とかなり高感度で撮影しましたが、それでも前景を明るくするのは難しかったです。

テングシデと見切れた白鳥座

撮影日:2020/10/18 焦点距離:17mm 絞り値:F2.8 露光時間:20秒 ISO:8000 19枚スタック(Sequator)

薄明が終わったあとの19:07から撮影開始。

白鳥座のアルビレオが葉っぱで見切れてしまいました。撮影開始した時は写ってたはずなんですが・・・。

ちなみにこのアルビレオ。『宙に浮かぶ宝石』と呼ばれている美しい二重星だそうです。
最近、このアルビレオは連星ではなく見かけ上の二重星だということが判明したみたいです。
私はこの星の名前も二重星だということも、そしてこの星が白鳥座の頭だということも今回初めて知りました。
白鳥座のしっぽだと思ってた(* ̄∀ ̄)

さて、前景のテングシデをもう少し明るくしたかったのですが、予想以上に暗くて光量が足りないので難しかったです。

絵的にはこれはこれで禍々しい雰囲気になっててOKなのですが、今後こう言う非常に暗い場所ではどうするのか考えなくてはなりませんね。

もっと明るいレンズを買うか、本意ではありませんが人工の光を当てるか・・・。

前景を別撮りして合成する方法もありますが、こういう木の葉っぱとか細かい前景でうまくできるかどうか自信が無いです。

大朝テングシデ群生地駐車場からみた夏の大三角形

撮影日:2020/10/18 焦点距離:18mm 絞り値:F2.8 露光時間:20秒 ISO:8000 16枚スタック(Sequator)

雲が出てきたので帰宅するつもりで、群生地から駐車場に移動。

すると少しだけ雲が切れたので、すかさず撮影しました。

19:45撮影開始。

連射で撮影している間にもどんどん雲が流れてきて予定の枚数は撮れませんでした。

前景の小屋はトイレです。

実はトイレから伸びた電線がちょっとだけ写ってたのですが、スポット修復ブラシツールで消しました。

元画像では綺麗に消えてたんですが、強調処理を行うと痕が浮出して来ますね。

全面にかかっている雲のせいで星雲の色が薄かったのでこちら↓の方法で少し強調してます。

テングシデの群生地よりはこちらの方が明るいので(それでも暗いけど)なんとか前景を浮かび上がらせることができました。

ちなみに二値マスク合成してますが、拡大するとかなり粗が目立ちます。まあ個人的には許容範囲内です。

あとがき

やはりというか今までもそうでしたが、非常に暗い場所での前景をどう撮影するか、そしてどう処理するかは課題です。

レンズ交換の手間を考えると、単純に明るいレンズを買えばいいと言うものでもないですし。

とはいえ、画像処理自体は自粛前より進歩している気がしたのでとりあえず良かったです。

 

さて、これからはオリオン座が主役の寒い季節となります。

昨年はほとんど降らなかったため撮れなかった雪景色との星景写真も今年は期待しています。

そのための防寒グッズ、特に防寒ブーツだけは最低でも手に入れたい!

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