前々から雷の写真が撮ってみたいなーと思っていた私に、先日そのチャンスが訪れました。
その時調べた雷の撮影方法と、実際の撮影で感じたことなど紹介します。
雷を撮るには
まずは雷情報をゲットしよう!
発雷予報サイト
⚡日本気象協会 tenki.jp
1時間先までの発雷予報と、実際の落雷情報を確認できます。
⚡国際気象海洋株式会社
日本気象協会よりもより細かい発雷確率がわかります。予報期間も三日先までとかなり先の予報まで発表されてます。元データは気象庁です。
落雷情報
⚡中国電力ネットワーク 雷情報
中国地方限定ですが、より細かい地域(県別)の落雷情報が確認できます。
必要な機材(★は必須)
★カメラ
マニュアル撮影が可能なカメラ。
★レンズ
どこで光るかわからない場合は広角レンズ、ある程度方向が絞れるなら望遠レンズ。
★レリーズ
シャッターを押す時の振動でブレるのを防ぐためと、連射で撮影するのでシャッターを固定するため。
★三脚
長時間露光するため。
※光に反応できる反射神経の持ち主なら手持ち撮影でもイケるかも(笑)
NDフィルター
明るい時間帯に長時間露光するため使用。夕方以降の暗い時間であれば無くても大丈夫です。
大容量の記録メディア
日中や夜でも街灯りなどが明るい場合はシャッタースピードを速くする必要がありますので、撮影枚数も増える可能性があります。大容量、あるいは複数枚の記録メディアを用意しましょう。
予備のバッテリー
連射するとバッテリーの消費が速いです。予備のバッテリーがあれば安心です。
カメラ設定
ISO:100~200(一番低感度で撮影して高画質をめざしましょう)
絞り:F10~F16
シャッタースピード:5~30秒
※暗い地上の景色を一緒に撮りたい場合はシャッタースピードを長めにしますが、長すぎると複数の雷が写ってしまって白飛びしてしまう恐れがあるので注意です。
撮影手順
①ピントを遠くの建物などに合わせる(無限遠∞)
②前述のカメラ設定で試し撮り
私は街頭などの灯りが飽和するのを防ぐため、地上風景がちょっと暗いぐらいのシャッタースピードで撮影して、あとで画像処理ソフトで明るくしました。(工場夜景撮影時もそうしてます。)
③良ければレリーズをロックして連射。
あとは放置してカメラにお任せです。
実際の雷撮影と作例
2020年9月30日(水)
雷の写真はずっと以前から撮ってみたい被写体のひとつでした。
子供のころは雷が鳴るとベランダに出て、蚊に刺されながらもずーっと稲妻を見るのが好きでした。
大人になってからは蚊に刺されるのをガマンしてまでは眺めてませんが、いつかは写真に撮ってみたいと思っていました。
その日は有休で、やることもなくボーっと天気予報を眺めていたら、どうやら夕方に雷が発生するらしい・・・。
準備をする時間はたっぷりあったので、以前から考えていた撮影場所に移動。
撮影方法などを調べてカメラも設置して待機。初の雷撮影に臨みました。
使用した機材・画像処理ソフトなど
●撮影機材
カメラ:CANON EOS R
レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
●連射撮影(レリーズ使用)。
●Lightroomで現像後、Photoshopで比較明合成処理と部分的な明るさの調整。
比較明合成の手順
今回は
①比較明合成する複数枚をLightroomでWB、彩度、明るさ等の調整を行い、
②一旦ファイルで書き出し(ファイル形式はTIFかPSD)
③Photoshopで読み込み
ファイル>スプリクト>ファイルをレイヤーとして読み込みで対象のファイルを読み込む。
④レイヤーの一番下以外の描画モードを「比較明合成」にする。
⑤雲の表情を出したかったので、グラデーションマスクで雲の部分を少し明るくする。
こんな感じで処理してます。
作例
街の日常に降り注ぐ稲妻
雷情報を見ると、撮影地点からかなり遠方(5~10㎞ぐらい?)を狭い範囲の雷雲が移動していく予報でした。
これなら結構望遠寄りの画角でもイケるかもしれないと思い、移動していく雷と地上風景とのバランスを考えながら思い切って望遠で狙ってみました。
そしてほぼ狙い通り、まんべんなく画角内を稲妻が走ってくれました。
思ったより雲が低く垂れこめていて、絵的には上に無駄な空間ができてしまいましたが、これ以上寄ると画角内で光ってくれない恐れもあったため致し方ありません。
タイトルは”街に降り注ぐ”とか書いてますが、実際はかなり遠くの稲光なので、街には雨も降らず落雷もありませんでした。
結果、街の風景がクリアに撮れて、一見すると合成写真のようです。
街の日常に降り注ぐ稲妻(一枚撮り)
カメラの設定は同じで少し狙う方向を変えてみたのですが、途端に向けた方向で光らなくなってしまいました。
左端になんとかギリギリ入ってくれた一枚を現像。
やはり一本だと端っこだし少し寂しい感じ。
季節外れの晩秋の雷のラスト放電
撮影を開始してから一時間が経過し、かなり遠方に遠ざかっている気配でした。
稲妻が光る回数もかなり減って来ていたので、最後にもう一度一枚目とほぼ同じ方向にカメラを向けると、再び数回光ってくれました。
一枚目と絵的には同じですが、今回は上空の雲の表情が稲光で映し出されてとても迫力のあるものとなりました。
この後もしばらく撮り続けましたが、これが今回の最後のエネルギーだったのか、かなり遠くに行ってしまったのかこれ以降は絵になる稲妻は現れませんでした。
あとがき
初めての雷撮影でしたが、条件に恵まれ満足のいくものとなりました。
被写体としては星や鳥と並ぶぐらい撮りたい対象なのですが、かなり気象条件が厳しく危険も伴うのでなかなかチャンスがありません。
特に中国地方は平野が少ないので、今回のように遠くの雷を撮るには見晴らしのよい山に登るか、海沿いに行くかですが、どちらにしても危険が伴います。
生きてるうちにあと何度チャンスがあるかわかりませんが、今後もチャンスがあれば全集中の呼吸で望みたいと思います。
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