【星景】秋吉台で今年最初の星空撮影。RF16mmF2.8STMで追尾撮影に挑戦しました。

 年末年始のお休みは当初久しぶりの長期遠征に出かける予定でした。しかし天気は大雪が各地で連日予報され、遠征地では標高の高い場所での撮影を予定していた私は、残念ではありましたが、知らない土地で帰れなくなったり事故を起こすリスクを考えて遠征を諦め、近場で撮影することに。

 ところが西日本ではお休みの期間中ほぼずーっと天候が思わしくない。晴れそうな場所は四国と九州の南部に限られそれも快晴とまではいきそうになく、どうしようか悩んでいるうちにお休みも後半に。これはもしや何も撮れずに連休が終わってしまうかもと危惧し始めたころ、かろうじて最終日の3日の夜の秋吉台が晴れてくれそうだということで出かけてきました。

EOS_R RF24-105mmF4

 秋吉台。実は私の星景写真のほぼ原点の場所です。
 初めての撮影は北海道だったのですが、その時は本当に勢いでとりあえず星が濃そうなところ撮ったった!的な撮影だったので、しっかりアングルとか対象の星座とかを考慮した星景撮影はその次の秋吉台での撮影でした。

山口県には結構星を撮りに行ってるので、秋吉台にも数回訪れている気がしてたのですが、今回が3年ぶりでした。初めてここで星景撮影した時も思いましたが、星景撮影をするにはここは本当に良い場所だと改めて感じました。

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冬の秋吉台撮影記

撮影記

2022年1月3日(月)~1月4日(火)

薄明終 18:47
月没 17:42

 撮影前のロケハンはとても重要だと思っています。にもかかわらず現地到着が夜になりロケハン出来ないことが多い私。今回は珍しく現地到着が午前10時!早すぎかとも思いましたが、ハイキングがてら秋吉台を散策ロケハンするのが楽しくて、気がつけば夕方になっていました。

 一旦車に戻った後、ロケハン時の軽装から、0度前後の気温が予想される冬の秋吉台で一晩過ごすための装備に着替え、追尾撮影用の重い機材を担いで再び日が落ちたカルスト台地へと向かいました。今年はキャンプ泊登山での星景撮影をひそかに目論んでいるので、重い荷物はその予行演習にもなりましたが、、、秋吉台程度ならイケたけどアルプス級の山だと結構しんどそうではあります。

 ところで今回の撮影では二つの初めてがありました。

 一つはRF16mm F2.8 STM での追尾撮影。このレンズに限らず超広角での追尾撮影は初めてでした。追尾自体は望遠系のレンズよりも極軸合わせがシビアでなくても良いので簡単でしたが、レンズの歪みによりコンポジットが上手くいかないことが予想されたのでそこが不安でした。結局その不安は現実となり画像処理はいつも以上に大変でした。

 もう一つは、一晩で2パターンの星空追尾(&地上固定)を撮影することでした。一つでもいつも四苦八苦しながら撮影しているので、こちらもかなり不安がありましたが何とか2パターンの撮影ができました。もう一つの方も後日公開予定です。

撮影時防寒対策に電熱トゥーウォーマーを導入

 そういえば前回秋吉台を訪れた時には初めて靴用のカイロを使用して、なんでもっと早く使わなかったのかと思った記憶があります。しかしその後、使い捨てカイロは氷点下以下になると効かなくなることが判明。スノーブーツを買ってみたりしましたが期待したほど暖かくなかったのでしばらく悩んでいましたが、今回バイク用の電熱トゥーウォーマーを購入したので試してみました。

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 結論から言うと使えます。ただし、当たり前ですが暖かさを求めるならそれなりのバッテリー容量が必要になります。私の場合は寒さによるつま先の痛みがなくなれば良かったので、温かくはないですがつま先が痛くない状態を保つだけなら「弱」でもOKでバッテリーも一晩持ちました。

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 使用したモバイルバッテリーは上記の旧型で容量も8000mAhと多くないので、もっと容量の大きなバッテリーならもっと長持ちすると思います。ちなみに「強」で使用した場合はかなり暖かいですが、2時間しか持ちませんでした。

 私が愛用しているcheeroのバッテリー↓なら単純に強でも3時間は持ちそうです。軽量で長持ちなので私は現在二個所有していて更にもう一つこのトゥーウォーマー用に購入予定。おススメです。

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 この日の気温は最低でも0℃だったので、これ以上低い気温だと「弱」では厳しいことが予想されます。あいにく「中」では試していないので今度試してみてまた報告します。

長者ヶ森駐車場について

 前回秋吉台に訪れた時、この駐車場は閑散としていたのですが、三年ぶりの今回は様子が違っていました。翌日になっても車がひっきりなしに出入りしているのを撮影中もずっと見ていました。最初は走り屋さんの車かと思いましたが、どうやらそうではなく色んな人たちが星空を眺めにきているっぽかったです。

 どこかで見たことのある光景だと思ったら、以前訪れた美星町の天文台の状況と似ている気がしました。

この時も走り屋の集会に巻き込まれたと思ってビビったのですが、どうやら星を見に来ている人たちだったようです。深夜にもかかわらずイベントがあるわけでもない場所にこれだけの人たちがひっきりなしに訪れるのはSNSの影響なのでしょうか?星空に興味を持ってくれるのは嬉しいですが、ちょっと異様な気がします。

 私が野鳥撮影を頑張ってた頃に、ある場所で珍鳥が現れるとあっという間にカメラマンが群がってくる現象が、SNSの普及により助長され始めた時期がありました。実はそれが気持ち悪くて野鳥撮影をやめた私的にはこの星空にどこからともなく集まる人たちが同じように見えてトラブルにならなければ良いなと若干心配しています。

 天体写真なんかは駐車場で撮影されている方も多いようなので、これだけ車がひっきりなしに現れると撮影は難しいだろうな・・・。

作例

冬のカルスト台地とオリオン座

撮影日:2022/1/3 焦点距離:16mm 絞り:F4 (星)ISO:2000 露光時間:150秒15枚、(前景)ISO:2000 露光時間:150秒17枚

 前回の記事でも書いた通り、沢山撮影しても結局ある枚数を超えるとコンポジットが合わなくなります。今回はいつも以上に星がずれまくりだったのは使用レンズが16mmという超広角だったからだと思われます。

使用機材

 カメラ:CANON EOS Ra
 レンズ:RF16mm F2.8 STM
 赤道儀:SWAT-310V-spec
 自由雲台:Velbon 自由雲台 QHD-53

 愛用しているTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2よりも今回使用したRF16mm F2.8 STMの方が歪みがよりひどいのかなという印象ですが、実はタムロンの超広角での追尾撮影(コンポジット)はやったことが無いためただの推測に過ぎません。次回はタムロンの15,16mm辺りで追尾撮影してみようかと思います。

 Velbon 自由雲台 QHD-53 を導入しました。

 星景撮影を始めてからずっとRRSのBH40LR2 や Leofoto LH-30を使用していました。これらの雲台の性能は申し分なくしっかりした作りで普通の風景撮影では全く問題ない(むしろ素晴らしい)のですが、赤道儀を使った星景撮影ではボールの可動域が狭く、いつも調整に苦労していました。

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 この日の撮影から使用した自由雲台 Velbon QHD-53 は普通の自由雲台に比べるとボールの可動域が広くかなり使いやすかったです。本当は同じ型でもう一つ大型のQHD-63あたり、もしくはレボルビング雲台が欲しかったのですが、どちらも生産終了ということで手に入りませんでしたが、QHD-53でも十分使えそうです。

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撮影時の様子

EOS_R RF24-105mmF4 ISO6400 F4 6秒

 日没前からこの撮影場所に到着し機材の設置を開始。明るい時間帯からのセッティングはもしかしたら初めてだったかも。ハイキングを終えて帰っていく人からの視線が痛かったですが、明るいほうがセッティングが簡単ですね(あたりまえ)。

 最近になってようやく赤道儀の導入穴に北極星を入れるのが簡単にできるようになってきました。というのも、今更ですが以前よりも少しだけ水平をきっちり出すようにしたら、後は赤道儀を北の方角に、これまた以前よりも少しきっちり(コンパスを使って)向けるようにすると自然と導入穴に入ってくれることに気がつきました。

 意識しているようなしていないような手順を改めてきちんと実行することと、やはり慣れは大事だなと実感しております。

 光害に関しては南方向(特に南東の山口市街と南西の北九州)の光害は意外と明るく、やはり中国地方の南側は光害を完全には避けられないことを思い知らされます。

画像処理について

 基本的には前回のやり方を踏襲しました。フラット処理も前回同様FlatAideProを使用しましたが、ムラがでてしまったのでPhotoshopのグラデーションマスクで最終調整しました。

 ステライメージ8でのコンポジットで星がずれまくり苦労しました。基準になる星を手動で設定しているのですが、端の歪んだ星ではなく中央の星像が綺麗な星を基準星に設定した方が上手くいきました。とはいえそれでも40分弱分しかコンポジットできませんでした(それもかなり無理がありましたが)。

 これだとRF16mmは追尾撮影には使いづらいなぁ・・・。

あとがき

 まずはなんとか新年初撮りを終えられて良かったです。

 今年は年間スケジュールを組んで昨年よりも精力的に活動したいですね。

 秋吉台でもう一つ撮影してきたので次回はそちらを紹介します。

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