【星景】ダート道をひらすら走って辿り着いた函岳山頂は、夜も昼も圧巻の景色が広がる天空の世界であった!

事前に調べた感じでは、良くも悪くもとんでもないところだということは想像してましたが、想像以上にとんでもなかったですw

目的は星景撮影でしたが、思いがけずもう一つ素晴らしい景色にお目にかかることができました。

年齢を重ねるに連れ、日常生活はおろか旅先の美しい風景にも以前ほど感動しなくなった昨今の自分でしたが、ここでの景色には久しぶりに驚愕させられ、感動せざる負えない圧倒的な美しさでした。

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撮影記

2019年6月24日(月)北海道上陸3日目です。

昨夜の車中泊地、初山別を出発後北上。遠別町経由で道の駅おといねっぷへ。昼食にはかねてから食べてみたかった音威子府駅そばを食べました。そこから今度は南下し道の駅びふかを経て再び北上し函岳山頂を目指しました。

お昼過ぎには山頂に到着。かなーり時間を持て余すことになりましたが、天気が良く景色も最高だったので、ぼーっと車の中で景色を眺めたり昼寝をしたりして過ごしました。

この日の雲の予報は、次第に梅雨前線の分厚い雲が名寄辺りまで北上して来そうな予報でした。雲の境目はくっきりしていて、その境目の北上具合で完璧な晴天になるか、分厚い雲に飲み込まれるか瀬戸際の位置に函岳がありました。

なので昼間は晴れていてもいつ雲に飲み込まれるか心配でしたが、結果的には撮影の時間には完璧な晴天に恵まれました。日付が変わる頃には霧が出たため、夜9時から始まった撮影は11時までの約2時間ほどでしたが、濃密な撮影が出来て非常に満足できました。

この日の夜は、おそらく一人だろうと覚悟していたのですが、自衛隊の通信隊?が2名と四駆に乗ったおじさん1名が車中泊をしていたので思いがけず寂しくなくて良かったです。このおじさんも星の撮影かと思いましたが違ってたみたいです。カメラは持ってましたけど何を撮ってたのかは謎です。

熊出現の恐れも多分にある場所なので、夜の撮影中はずっとラジオを付けて行動してました。
時々獣臭が漂ってくるんですけど、音とか気配はしないので何なんだろうとビビりながら撮ってましたw

いつもは人見知りで人がいないほうが好きな私ですが、この時は人の気配が嬉しかった。 我ながらわがままですね。

 

撮影地(車中泊地)

函岳

片道27kmのダート

山頂には車で行くことができますが、その道はなんと片道27kmのダート道。

経路としてはダートが始まって17km地点で左に曲がります。曲がってすぐに加須美峠ゲートがあり山頂まで一本道です。迷うことは無いでしょう。
(私の車のナビには道が表示されませんでした。グーグルナビでは表示されました。)

道の駅びふかから函岳山頂への経路

事前にネットで調べてみると、舗装はされていないけどフラットダート(比較的きれいな砂利道)なので心配ない的な記述が多く、中にはスクーターで登った方もいらっしゃったのであんまり心配無さそうだな・・・なんて思ってました。

が、実際登ってみると思ったよりも大変な印象でした。
・離合がシビアな場所がけっこうある。
・砂利道ではアスファルト上よりも制動距離が伸びることを知らない車が多いのか、かなりのスピードの車が多く(特に下ってくる車)、結果コーナーで突然現れる形になり(当然カーブミラーなんかないコーナーがほとんどなので)衝突しそうになることもしばしばあり肝を冷やした。

すれ違う車の台数は少ない(私がすれ違ったのは往復で20台ぐらい)とは言え、こんな所で衝突されたらたまったもんじゃないですよ。

事故したらJAFも来ないし(多分)一般道よりもかなりめんどくさいことになるのは目に見えているので、運転は気をつけたほうが良いです。私を含めてダート道なんか普段走らない人がたくさん走ってますから。

時速30~40キロの低速で、特に先が見えないカーブでは20キロの徐行運転をして細心の注意を払って運転しましょう。
私はそうしました。

函岳の景色はガチで良いので、嫌な思い出にならないように安全運転を心がけて訪れてみてください。

車中泊について

頂上の駐車場は砂利ですが、50台ぐらいは駐車可能な場所です。
そんなに車が来ることは無いと思いますがw

トイレは駐車場にあるヒュッテ内(無人です)にあります。
水の入ったボトルが用意されているので、用を足した後にその水を流すようです。

当然ですが、食料の調達は登頂前に済ませておきましょう。

普段は恐ろしいほど静かだと思われますw
ただこの夜は、自衛隊の車のエンジン音がしていました(それでも静かでしたけどね)。

標高は1,100mぐらいなので、涼しかったです。毛布をかけて寝ました。

撮影地

駐車場から150mほど歩くと山頂です。そこには『道北レーダー雨雪量計システム』の大きな建物があります。
それと天の川を絡めて撮りたくてここまで来ました。

あと、その裏には標高と方角が書いてある柱(こういうのなんていうの?)があるのですが、こちらと絡めて星を撮るにはちょっと勇気がいります。レーダーの裏に回らなければならないのですが、お化けはともかく熊が怖い!私には無理でしたw

名寄市街方向(南側)がやや明るめではありましたが、それ以外の360度は全天真っ暗です!

 

作例

夕景 雲海に利尻富士が浮かぶ夕焼け

思いがけず出会えた景色というのはこれです↓

雲海に利尻富士が浮かぶ函岳の夕焼け

基本的には夕景も雲海も普段あんまり興味がない私ですが、この景色を見た時には息をのみました。多分「うおっ!」って思わず声が出たと思う。本当に美しい風景でした。

撮影日:2019/06/24 撮影機材:Canon EOS R/RF24-105mm F4 L IS USM
焦点距離:94mm 絞り値:F11 露光量:1/4秒 ISO100
撮影日:2019/06/24 撮影機材:Canon EOS R/RF24-105mm F4 L IS USM
焦点距離:63mm 絞り値:F11 露光量:1/5秒 ISO100

 肉眼と近いサイズ感なのはこの写真↑です。
 でも本当の感動はこの写真では伝わらない・・・。もどかしいですね。

 

撮影日:2019/06/24 撮影機材:Canon EOS R/RF24-105mm F4 L IS USM
焦点距離:85mm 絞り値:F11 露光量:0.8秒 ISO100

 本当はもう少し高い位置から、望遠で狙いたかった気がしますが、見つけた時にはほとんど夕日が沈みかけてて場所を移動する時間もなく、レンズを交換する暇もありませんでした。

 今後はもう少し夕景にも興味を持ちたいと思いますw

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星景

●全て一枚撮り。ソフトフィルター不使用です。

そして夜。完全に暗くなるのは9時頃。そこから撮影開始です。
快晴の空に天の川がくっきりと浮かび上がります。

撮影日:2019/06/24 撮影機SONY α7s/TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di USD
焦点距離:15mm 絞り値:F2.8 露光量:30秒 ISO2500

 雨量計レーダーの上に横たわる天の川。
 建物の手前までは行きましたが、そこで撮ったショットは見事にピンぼけでした。いい感じの流星も写っていたのに残念です。
 本当はもう一歩踏み出して建物の裏まで行きたかったのですが、熊の恐怖に負けてしまいましたw

  

撮影日:2019/06/24 撮影機SONY α7s/TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di USD
焦点距離:15mm 絞り値:F2.8 露光量:30秒 ISO3200

 もう少し地上の風景を明るくしたいのですが、F2.8ではこれが限界ですかね。あんまりレタッチ詳しくないので自分にとっては難しいです。これ以上明るく持ち上げるとザラッザラな絵になってしまいます。
 TAMRON SP 15-30はすごく良いレンズだとは思いますけど、やっぱり明るい単焦点レンズが欲しいなあ。。

 

撮影日:2019/06/24 撮影機SONY α7s/TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di USD 焦点距離:17mm 絞り値:F2.8 露光量:30秒 ISO3200

 最後は自衛隊の通信車と天の川のコラボ。右の明るい光はおそらく名寄市街地の灯りです。結構明るい光害だったにも関わらず、天の川はくっきりはっきり撮れててびっくり。

 ホントはもう少し車に寄って撮りたかったんですけど、何撮ってんだ!って怒られそうだったので止めときました。

 

あとがき

とにかくこの景色に出会えたことに感謝です。
めったに来ることの出来ないこの場所で、これだけの風景に出会えたことは非常に運が良かったと思います。
撮影に関しても満足しています。

ただ同時に痛感したのは、刻々と変化していく圧倒的な風景を目の前にしたときに自分の撮影技術そして感性の無さでした。
この風景をどう撮っていいか焦るばかりでした・・・。

こればかりは経験を積み、感性と技術を磨くしかないですね。
この悩みはずっと消えないんだろうな・・・。でもだからこそ続けられるんでしょうけど。

 

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