前回の記事で紹介した箱石峠で撮った追尾地上合成星景写真の紹介です。
阿蘇の箱石峠絶景ポイント 追尾地上合成星景写真作例
阿蘇高岳と沈むオリオン座
●撮影について
追尾撮影に初めてタムロンSP15-30を使用
カメラ:CANON EOS Ra
レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A041)
赤道儀:SWAT-310V-spec
断続的に薄雲が流れてくる天気で撮影状況としてはあまり宜しくなく、全部で29枚撮影した中でコンポジットできたのは16枚で総露光時間48分でした。なので露光時間自体はいままでの追尾地上合成星景撮影時とあまり変わりません。
でも今回は24mmの広角撮影だったこともあり、初めて追尾撮影でTAMRON SP 15-30mmF2.8を使用したおかげでISO感度を下げることができた(3200→1600)ので、総露光時間はいままでと変わらなくても一段分の画質の向上があるため、画像処理は幾分楽だった気がします。
やはり『明るいは正義』ですね。
とは言え、私の画像処理技術ではオリオン座の赤い星雲の描出は簡単なものではないので、できればもう少し露光時間を伸ばしたいところです。最低90分は欲しい。
撮影のようす
微動雲台を北極星方向に正対させていなかったためネジを動かすと斜めに動いてしまってちょっと極軸合わせに手間取ってしまった。まごまごしている間に北極星が雲に隠れてしまってかなり焦りました。
北側が暗かった割にδUMi(こぐま座δ星)がよく見えなかったのも困った。まあ今回は広角撮影だったので赤道儀の導入穴でも十分だったから問題なかったけど。
で、今回の撮影場所が結構斜面(前回記事の作例一枚目に小さく追尾撮影中の三脚が写ってますので気になる方は探してみてください)だったので、機材落としたら転がって無くなるかもと落とさないように慎重に設置。
撮影は 22:48-25:42 の約3時間でした。
●画像処理について
大きな流れはこの辺りの記事↓で書いた処理とほぼ変わりません。
ただ、細かいところで問題点等ありましたので記しておきます。
ステライメージ8の自動コンポジット失敗。初めて手動コンポジットやってみた。
こちらの記事↓の処理時にもコンポジット失敗して、その時は画像が明るすぎたのでLRで現像時に露出量↓とコントラスト↑で上手くいったのですが、今回はそれでもコンポジットが上手くできませんでした。
何が原因なのかわからないのですが、経験上広角撮影した画像ほどコンポジットが上手くいかないことが多いと感じます。
仕方ないので今回は下の記事↓を参考にして、手動でコンポジットを行いました。
天体写真ナビさんには本当にいつもお世話になっています。ありがとうごさいます。
結果、以下の写真のようにきれいにコンポジットできましたー。
最初は追尾が失敗して星が流れているのかと思いました(左画像)が、そうではなさそうです。
結局原因不明なのが気持ち悪いですが、何はともあれ良かったです。
モノクロフラットでフラット処理
これもこちらの画像処理時に起こった『簡易フラット処理で部分的に色が変わる』問題。
今回は色が変わるというよりも色が薄くなってるような気がしたので、フラット画像をモノクロにしてからソフトビニングフラット処理を行いました。
あとがき
今回は約二か月ぶりの追尾地上合成星景撮影でした。
天体写真と地上風景を長時間露光する必要があるこの撮影は、天候と天体の動きと自分自身の時間の条件が揃わないと撮れないのでチャンスがかなり少なくて大変です。
そういう意味では雪が溶けないうちに雪山との星景を撮りたいのですが、果たして。
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