知る人ぞ知る絶景ポイント、阿蘇の箱石峠で星景撮影
星空撮影記
2021年1月17日(日)から18日(月)2時ごろまで撮影。
月没 21:41、月出 10:35
薄明終 19:00、薄明始 5:51
週末の中国地方の天気は終始雲に覆われる予報でした。必然、星を撮るには中国地方を脱出せざるを得ない状況。月曜日がお休みだったこともあり、それならばと日曜の夜が晴れそうだった阿蘇地方に遠征することにしました。
片道約420㎞。一気に移動するのは辛い距離なので、土曜の夜中に出発して行けるSAまで走ってそこで車中泊する予定で出発。どこまで行くかは決めていなかったのですが、そういえば以前古賀SAで一蘭(ラーメン)を食したのを思い出し、距離的にもちょうどいい(約250㎞)ので、そこで泊まって朝ラー(朝からラーメン)しようと決めました(朝7時から営業してる)。
翌日曜日はのんびりゆっくり走って途中『数鹿流崩之碑展望所』を通りました。26年前に阪神淡路大震災の一か月後にボランティアで現地入りし、高速道路の高架がぶっ倒れているのを目の当たりにした時の衝撃が蘇りました。
箱石峠に到着したのは午後4時前でした。到着した時にお一人先客がいらっしゃいました。話しかけるかどうか迷いましたが、コロナ禍の現在、無用な接触は避けるべきだろうと考え車の中にいるその方と目が合ったときにペコリと会釈をして挨拶しその後は接触することはありませんでした。その方は夕焼けがメインだったみたいで、日が落ちてからも少しだけ撮影されてましたがすぐにいなくなりました。
人見知りな私は基本的には誰もいない方が気を使わないので嬉しいのですが、途中から一人になるとそれはそれで心細くなるわがままなやつです。
予報では翌18日の3時ぐらいまでは雲は無いはずでしたが、実際は薄雲が頻繁に流れてきていて、翌1時半ぐらいに完全に雲に覆われてしまい撮影終了となりました。今回も前回同様α7s(IR改造)とEOS_Raのダブル星景撮影で、月が沈む21時半ごろから追尾撮影を開始する予定でしたが、ちょうどそのころから雲がかなり流れてくるようになって予定枚数を撮ることはできませんでした。
防寒関連のお話 モンベルパウダーブーツ新規導入!
この日、新しい靴を投入。
モンベルのパウダーブーツです。
この日の最低気温は車の温度計で-6℃を表示。前回も同じぐらいの気温だったので、その時に履いた『VASQUE(バスク) Bitterroot GTX』と比較するにはちょうどいい気温でした。
で肝心の温かさはというと・・・正直期待したほどではなかった・・・。
もちろん普通の靴よりは温かいのですが、VASQUEと比べて差が感じられなかったです。
ちなみに靴下はいつも通り普通の靴下と冬登山用の靴下の二枚履きです。
パウダーブーツのサイズがやや小さかったので、靴下の生地がつぶれて防寒性能が発揮できていなかったせいもあるかもしれません。
うーん、ちょっと失敗したかな?
いずれの日も靴用カイロは使用していないので、これ以上寒い日には検討する必要がありそうです。
以前四国カルストで足用カイロを使ったのですが、その時は全く効かなくてあまり良いイメージがないんですよね。マグマなら大丈夫かなあ??あと貼るタイプって剥がす時に靴下の繊維ごと持っていくのですぐ靴下が薄くなってしまうのも嫌なんですよ。貼らないタイプのマグマってあるのかな。
撮影地(箱石峠)について
標高900m弱の場所なのでもっと寒いのかなと思っていましたが、影になる場所には雪が少し残っている程度で寒さに関しては思ったほどではなかったです。
離合が難しいような細い道も無いので、車なら比較的訪れやすい場所です。ただし駐車場もトイレもありません。展望スポット辺りは少し道幅があるのでそこの道端に停めますが数台が限度です。まあ星空撮影時の夜中に車が停められないほど人が集まることは無いと思うので問題ないでしょう。
今回は日曜の夜だったこともあり、結局私以外に訪れたのは2名でどちらもすぐに帰られたのでほぼ一人での撮影でした。
駐車場はないのですが、撮影場所は山の斜面に広い場所があります。ただし斜度が結構あるので滑って落ちたりする危険性も無いこともないのでご注意ください。機材が転がって慌てて走って拾いに行ったら転倒して転げ落ちて・・・みたいな。
噂に違わず素晴らしい展望でした。
迫力のある根子岳、高岳はもちろん東南に祖母山系の山、北には九重連山が見渡せたのは意外でした。特に祖母山との望遠星景をここから撮ってみたいと思いました。
箱石峠の空の暗さについて
南側の根子岳方面は軽く明るい程度、そこから西方面に向くにつれ熊本市街の光害が強くなり阿蘇の高岳方面はかなり明るいです。
一方、北東の九重方面から南東の祖母山方面は光害の影響がかなり少なく、特に祖母山方面は星撮りには理想的な暗さだと思います。
東が暗く、西が明るいって感じですね。
阿蘇の絶景スポット 箱石峠での星景作例
使用した機材・画像処理ソフトなど
●撮影機材
カメラ:SONY α7s(IR改造)
レンズ:TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di USD
●赤道儀は不使用です。全て約30枚の連射撮影したものをSequatorで画像スタック後、Lightroom、Photoshopで画像処理。
●全てソフトフィルター(LEE No.1)使用。
星景作例
三日月の月光に照らされた箱石峠に昇るオリオン座
19:30ごろに撮影。
この時はまだ月が西側の高岳上空に出ている時間帯でした。月明かりは星撮りに影響があるので今まで頑なに月が出ているときに星撮りはしなかったのですが、この時は何も考えずに撮影していました。
月齢4.2で輝面比0.19(満月は1.00)なので月光は強くはないのですが、それでも周囲の地上はそれなりに明るかったです。そんな月明かりの下で撮った星景が上の写真です。
結果、星空にはほとんど影響が無く地上は適度に明るい、とても良い感じ撮れていたので驚きました。真っ暗な地上絵を持ち上げて明るくするとどうしてものっぺりして色も綺麗に出難いのですが、それに比べるとコントラストもつけやすく、明部の色が自然に出てる印象です。
このぐらいの月明かりなら星景にはかなり使えることがわかりました。
根子岳上空に南中した冬の大三角形とオリオン座
23時に撮影。少し光害があるのと薄雲が根子岳上空に発生していたので、なんとなくもんやりした感じに。根子岳には中途半端に少しだけ雪が残っているのも少し白けた感じになった原因かも。
月明かりが残っていれば根子岳の溶岩が流れたあとのような迫力のあるうねりがもっとうまく描出できたかもしれない。
箱石峠の西に沈むオリオン座と冬の天の川
翌18日の1:30ぐらいに撮影。珍しく一枚撮りですが初めから一枚撮りするつもりではなく、これを撮った後ものの数分で厚い雲に覆われて今回の撮影は終了となっただけなんですけどね。
西側は熊本市街の光害がひどくて画像処理が難しかったです。かなりノイズがある画像となってますが、実はノイズ感のある星景写真って嫌いじゃないんですよね。味になると思っているのでこれはこれでありかと。
画質の美しさよりも”雰囲気”がある写真が理想です。
あとがき
絶景展望スポットとして有名な箱石峠ですが、展望が開けているので星空撮影でもおすすめできる場所でした(特に東方面)。
月明かりも利用の仕方を考えれば、より良い星景写真が撮れそうだということがわかったのも今回の収穫でした。
同日にEOS_Raでの追尾固定星景の撮影も行っていますので、また出来上がり次第紹介します。
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