この日の登山以外の様子はこちら↓
樽前山。
標高は最高点の樽前ドームで1,041m、一等三角点(点名「樽前岳」)の東山で1,022m、三等三角点(点名「樽前山」)の西山で994m。
ウィキペディアより
以前車中泊旅で北海道に訪れた時に、支笏湖の南に見えた”山から飛び出た異様な出っ張り”が気になってあとで調べたら、それが樽前山の溶岩ドームだと知って以来、いつか登ってみたかった山なのです。
その当時(2014年)の写真。中央左の少し黒っぽく平べったい出っ張りがとても気になりました。
右の高い山が「風不死岳(ふっぷしだけ)」。
幸いこの山は”登山初心者に優しい山”らしく、登山経験が殆ど無い自分でも登れそうだったので、サイクリングと合わせるにはピッタリの山だと思い、ずっと狙ってました(笑
(ちなみに私の本格的な登山経験は伯耆大山に夏山登山へ行ったことがあるぐらいです。)
ようやくその念願が叶う時がやってまいりました。
当初の予定では、溶岩ドームの外周を一周し、東山と西山のピークを踏んで七合目ヒュッテまで戻る計画で3時間45分を予定していましたが、夕方崩れるかも知れないという天候次第では、東山ピークのみで引き返すことも考慮しながらの登山となりました。
2018年6月22日(金)晴れたり曇ったりの樽前山登山
ダート道の自転車押上げでの疲労を感じたまま、七合目登山口を出発
この日↓の登山です。
【2018北海道道南】3日目 支笏湖公園自転車道~樽前山~苫小牧へ
七合目ヒュッテまでのダート道が予想外にキツかった。
11:30 ヘトヘトになりながらもなんとか到着し、登山装備を整える。自転車走行時には左足のみサポーターを装着しているのですが、右足にも装着しザックを背負って駐車場へ。
駐車場にあるトイレに寄ってから登山開始です。
この先トイレはないので、ここで済ましておきましょう。
この日は日曜日ということもあり、噂通り駐車場は満杯でダート道まで車が止まってました。ただ、もうお昼前なのでほとんどの方はすでに登っているようで人は少なめです。
樽前山登山口
最初はこんな感じに木々に覆われた階段道を登ります。
この時期、成長が著しい草木が体に当たるので若干鬱陶しいですが、10分ほどですぐに開けた場所へ出ます。
おそらくそこが「見晴台」だと思われます。展望台みたいな広い場所かと勝手に想像してましたがそうではなく、ただの登り道の途中の少し広い場所って感じでした。
見晴台。手軽に北海道を感じられる場所ですね。
気になる積乱雲もありますが、まだ天気が崩れる様子はない。日差しを遮ってくれてちょうど良いぐらいの雲の量です。
しばらくは階段が続きます。
もしかしたら七合目登山口からのこの階段が一番しんどかったかもしれません。
振り返ると支笏湖。次第に高度を上げて行きます。
途中から階段が無くなります。この方が自分の歩幅で歩けるので楽ですね。
かなり高度も上がってきました。
外輪山取付 溶岩ドームあらわる! 東山ピークは踏まずに西山へ
東山と西山の分岐点に到着。
やつはいきなり現れました。ドンッ!
想像以上の迫力!素晴らしい。
念願の樽前山溶岩ドーム。会いたかったよ~。
この分岐部に来るまで全く溶岩ドームが見えないってのも良いですね~。感動も一入(ひとしお)です。
さてここからのルート。東山ピークまで往復し、その後天候が良ければ西山を目指そうかどうしようか、、、実は結構雲が怪しい感じになってきてます。東山に寄っちゃうと天候次第では西山へ行けなくなるかもしれない・・・。東山が樽前山の最高到達点(1041m)ではあるんだけど、、、いろいろ迷う。
西山側からの溶岩ドームは更に迫力があると聞いていたので、溶岩ドームフェチの私としてはどうしても見てみたい!
というわけで迷ったあげく、東山ピークには寄らずに西山へ向かうことにしました。
12:10 そうと決まれば、急いで出発です。ここからはしばらく下りのようです。
溶岩ドームを見てテンションも上がって元気が出てきました!外輪山に出るとやはり風が強くなってきましたが、足取りは軽かったです。
右側に溶岩ドームを見ながら奥のピーク(西山)を目指します。
溶岩ドーム周辺には番号が書かれた岩がありました。これは”2”
溶岩ドームにばかり目が行ってしまいますが、足元にはこんな花も咲いてました。
イワブクロ
イワブクロという高山植物だそうです。
別名:タルマイソウ。樽前山に多いからこの別名なんだそうです。
途中で道が二本に分岐してましたが、すぐにまた合流します。溶岩ドームフェチの私は迷わず溶岩ドームに近い方の道を選択しました。
二本に分岐した道が合流する地点に、気象観測装置っぽいものを発見。なんかカックイイ!
って、この場所には樽前山神社奥宮の鳥居があったみたいなのですが、溶岩ドームとこの装置と天気が気になって若干焦ってたのでその存在に全く気が付かなくて華麗にスルーしてた!色んな意味でショックです。
ここから更に天気が怪しくなってきました。特に目指す西山上空の雲がどんどん厚くなって、風も強くなってきます。
みると西山には人も疎らです。自分が着くころにはもう誰もいないかもしれない・・・。
ここでしばし立ち止まって考えます。登山の素人が天候が悪くなりそうなのにこれ以上進んで良いのだろうか・・・。もし雷雨にでもなったら避難する場所もないし。
ここで決定的なことに、雨がパラついてきました。
もはやここまでか・・・、
そう思い引き返そうとした時「こんにちは~」と一人の男性が迷っている自分の横をトレイルランニング風に颯爽と追い抜いて行きました。
『エッ?行くの?行ってもいいの?』心の中で問いかけますがもちろん返事はありません。
男性は小走りに進んで、どんどん遠ざかっていきます。
ああっ!待って!置いて行かないでぇ!
思わず駆け出す自分(笑)
ええいもうここまで来たらやっぱり行くしかないでしょ! なぜか体は元気だったので、私もトレイルランニングのつもりで(やったことないけど)少し小走りで行けるとこまで行くことにしました!
結局私を追い抜いた男性は西山山頂へは行かず(たぶん本当にトレーニングだったっぽい)会うことはありませんでした。代りに途中で会った登山慣れしてる感じの年配の女性とお話したところ、これ以上天気は崩れないでしょとのお墨付き?をいただき、それに安心して西山登頂を果たしました。
やりました!
12:50 西山登頂。予想通り誰もいません。
人見知りな私は人がいない場所は大好きなのですが、今はとっても寂しいし正直ちょっと恐ろしい(わがままです)。山頂は風も強くて一人だし怖いんですが、少しペースを上げて登ってきたので、休憩です。
おにぎりを食す。
苫小牧方面?は晴れているようだ。
裏から見た溶岩ドームはまさに鬼ヶ島だった! 西山から七合目ヒュッテへ
栄養補給も完了した所で、人が一人登ってきたので入れ替わりで下山を開始する、結局人見知りな私。
いや~やはり西山側からの溶岩ドームは、噂通り迫力抜群ですね。来てよかった。
西山を降りると、しばらくはほぼ平坦な道でした。溶岩ドームの周りをぐるっと廻る感じですが、結構近くて見上げるアングルが最高の迫力!
荒れ果てた感じですが、何気に緑も多いんですね。
樽前山は花の百名山と言われるぐらい高山植物の宝庫だそうです。そんなことも知らないで、相変わらず体は元気だったので、比較的起伏の乏しい道を小走りに歩いていました。すると先程西山へ登る手前でお話をした女性がいたので、珍しく自分から声をかけました。
その方は苫小牧在住の方で、樽前山には何度も登っているそうです。この時は風がかなり強くて天気も不安定だし、溶岩ドームの見た目にも若干ビビってた私ですが、さすが地元のその方は「先週の方が寒かった」となんとも思っていない様子。見た目は小太りなただのオバちゃんですが(失礼)、地元の慣れた人の話は説得力があります。
おやつも頂いてしまった。その節はありがとうございました。
女性と離れ、また小走りに進んで行くと、東山ピークへ向かう道との分岐点が現れました。
スルーしてきた東山ピーク(山頂1.3kの方向)。
行こうかどうしようか迷いましたが、この道を行くと下山ルートが来た道と同じになってしまうので止めました。私はピークハンターではないですし。
更に下って、932峰とお花畑コースとの分岐点に到着。
これも後から知ったんですけど、932峰からの樽前山の眺めも美しいらしい。この時は932峰の存在もよく知らなかったので迷わず「ヒュッテ2.2k」を目指して進みました。
この道が「お花畑コース」と呼ばれていることはなんとなく知っていました。花にはそれほど興味がないんですけど、来た道とは違う道で帰りたかったので通ってみました。
奥は東山ピーク
これ↓は面白い苔みたいなのが生えてるな~と思って撮った写真ですが、イワヒゲという高山植物で、とても可憐な花を沢山咲かせるようです。
イワヒゲ。よく見ると白い小さな花が残っていました。
マルバシモツケ。白とピンクがありました。
長いお花畑コースを過ぎると、段々と木々の中に入っていきます。
鬱蒼として怖い!早く出たい!ダーニーが怖い!とペースも上がる。
すると、すぐに建物が見えます。
あら?目の前に七合目ヒュッテが現れた!
振り返るとこんなところに登山口(今自分が出てきたところ)が。
登る時は全く気が付かなかったわ。
時間は14:16。
出発したのが11:30だったので 2時間45分で帰ってこれました。
おつかれさまでした。
サイクリングに組み合わせる登山としては、樽前山は自分にとって最適な山でした。
五合目から七合目ヒュッテまでのダートを自転車押し歩きしたのは計算外でしたが、それでも体力はまだ余裕があったので選択としてはベストだったと思います。
また、北海道の山ならではの森林限界の低さのおかげで、終始眺めの良い景色も楽しめましたし、なんと言っても念願の溶岩ドームが想像以上の大迫力で、本当に感動しました!
この山は登山をやる人にもやらない人にも、万人にオススメできる山ではなかろうかと思います。
車なら七合目まで気軽に来られますし、その割に高山植物が豊富なので体力ないけど高山植物が見たい人にもおすすめの山ですね。
本当に大成功だった樽前山登山でしたが一つだけ考えなければならない点があったかなと思うのは、西山へ行く前に天候が悪くなった時の判断です。
幸いにしてあの後小雨で済んだので良かったけど、もし天候が悪化(雷雨的な)してたら自分はどうしたのか?登山経験皆無でしかも初めての山でのあの判断はどうだったのか?
正直未だによくわかりませんが、勢いだけで行ってしまった点は少なくとも反省しなければならないのかなと思いました。
そういう意味でも、ありがとう樽前山な登山でした。
登山編は終わりです。後は自転車で山を下りて苫小牧へ。
この日の登山以外の様子はこちら↓
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